非常用食品
非常時の食品としての条件というのは、食品そのものの品質、保存性や使用性に至るまで、非常に多くの条件が求められる。普段日常生活で使用している食糧との違いを考えると、救助、救援の届く2~3日程の非常用食糧の備えが必要。
求める条件としては、基本条件として「保存性」、「簡便性」、「経済性」が挙げられるが、付加価値条件として「可食性」が求められる。
●保存性
基本的条件の中で、「保存性」が最も重要視される。一般的に食品の保存性を問う場合、保存期間や、腐敗、変質に対する安定性のことを指すが、非常用食品については、保存期間の長さや保存中の品質の安定性のほか、収納性、荷崩れなどに対する耐久性など、多面的な条件が必要とされている。
- 安定性
- ・常温での保存が可能である
・温度変化や熱に強い
・細菌に汚染されにくい
・水分・湿気による変質が少ない - 耐久性
- ・圧力や刺激にも壊れにくい
- 保存性
- ・容器入の状態で長期保存が可能である
・容器開封後も長期保存が可能である - 使用性
- ・保存用の容器が不要である
・輸送・持ち運びが容易である
・外箱が収納に便利である
・開封後もそのままの保存が可能である
●簡便性
「簡便性」は、災害発生時の断水、停電等の可能性も考慮する必要があることから、「保存性」と並んで重要視される項目である。農林水産省が発表した「震災時における応急物資確保システム調査報告書」では、第一条件として“そのまま食べられること”が挙げられている。
- 調理
- ・過熱調理不要
・調理に水を使用しない
・調味料等を必要としない - 用具類
- ・容器開封に用具を必要としない
・前処理等に刃物を使用しない
・煮炊きする用具を必要としない
・調理の時間が短い - 容器
- ・開封後も保存容器を必要としない
・使用後の容器が再利用可能である - 食器
- ・飲食時に食器を必要としない
・箸などをを使用せずに飲食が可能 - 調理の知識
- ・食べ方が即時に判別できる
・使用法の説明がついている
●経済性
災害に備え食品を備蓄することは、あくまでも保険的な効果を目的としており、そのために多くの費用をかけることは合理的とは言えない。単に価格が安いというだけではなく、多面的に経済性を考え、備える必要がある。また、定期的に消費し、新しいものを備蓄するためには、普段の食事に取り入れやすいものが好ましい。
- 価格
- ・入手価格が手頃である
・栄養価が高い
・容量が大きい - 効率性
- ・変質などによる廃棄が少ない
・保存期間が長く交換、更新が少ない
・普段の食事に取り入れやすい - 設備
- ・保存に特殊設備を必要としない
・保存の際に食品がかざばらない
・保存・管理が容易である - 廃棄
- ・変質品の廃棄の際に問題、手間をかける必要がない
・変質、廃棄品の再利用が可能である
●可食性
冬期・停電の場合などは特に生死に関わる結果となることもあるので十分な装備が必須。火を利用する場合は延焼による火災の予防が必要。
- 食べ易さ
- ・噛みやすく、形状自体が食べやすい
・飲み込みが容易である
・食後、喉がかわかない - 対応性
- ・乳幼児が食べることができる
・老人、病人が食べることができる - 一般性
- ・味や匂いにくせがない
・続けて食べても飽きにくい、味にバリエーションがある
●代表的な非常食品
- ・乾パン
- 非常食のイメージとして広く認知されている。入手、保存が容易で飲食時の調理も不要。但し、味にバリエーションが無く、のどの詰まりを感じやすいので高齢者・幼児には不向き。
- ・アルファ化米
- 現在、日本で最も備蓄されている保存食。味も豊富で食べやすく、携帯性に優れている。
- ・缶詰
- プルトップ缶の素手で開ける事が出来るタイプが望ましい。種類が豊富で日常の食事に取り入れやすい。
- ・保存パン
- 缶詰タイプの物が主流。多くは賞味期限が1年間程度。
- ・レトルト食品
- 水、加熱調理を必要とするものが多いが日常の食事に取り入れやすいため、定期的に消費し、常に新しいものを備えることができる。
- ・乾物
- 乾麺等の調理を必要とするもののほか、ドライフルーツ等の保存性の高いそのまま食べることのできる食品もある。
- ・塩漬け類
- ・干物
