日本の防災体制
日本で一義的に防災任務に当たるのは市町村とされ、都道府県、国は市町村をバックアップ・支援する機関として位置づけられている。国レベルで防災に関与している省庁は内閣府を筆頭に警察庁、消防庁、気象庁、国土交通省、国土地理院、厚生労働省、文部科学省、防衛省など多岐にわたる。内閣総理大臣を長とし、重要政策に関する会議のために中央防災会議がある。内閣府に事務局を置き、大規模地震のための対応など国家レベルでの各種行動計画を策定している。
市町村レベルでは防災計画の策定や防災用品の整備をはじめ、様々な防災施策をになっている。ただし小規模な自治体では防災に割ける人員・予算が限られており、専ら水害ないし地震に対する施策にとどまっている場合が多い。また広域災害になると市町村レベルでは対応に限界があり、国と連携をとった対応が求められる。一方で、行政だけでなく地域住民の互助を促し、住民による防災を進めることの重要性も指摘されている。
国家レベルでの取り組みとしては、ダム、防波堤などの防災施設の設置、住民への周知、避難対策等があり、公共事業などによって行われている。
防災基本計画
災害対策基本法第34条第1項の規定に基づき、中央防災会議が作成する政府の基本指針を示す防災計画。防災に関する総合的かつ長期的な計画、中央防災会議が必要とする防災業務計画および地域防災計画作成基準を示す。国、地方公共団体、住民等、各主体の責務を明確にするとともに、それぞれが行うべき対策を示し、震災、風水害、火山災害、雪害、林野火災で、防災予防、発生時の対応、復旧等を記しておく。内容は行政側のみではなく、住民側の防災対応策についても記述、作成されている。
防災拠点
地震等の大規模な災害発生時に、被災地において救援、救護などの災害応急活動の拠点となる施設や場所。情報提供、災害対策の体制構築、計画実施、救援救助や応急復旧活動、負傷者等の受け入れ、医療支援等、総括的な復旧活動が行われる。防災計画によって県庁や市役所役場、消防署、警察署、学校、病院、大規模な公園等が指定されている。
延焼遮断帯
大規模な地震等において、市街地大火を阻止する機能を果たす、道路、鉄道、公園等の都市施設と、それらの沿線の範囲に建つ耐火建築物により構築される帯状の不燃空間のこと。
防災地図
避難場所や避難経路、防災施設、防災拠点等を示した地図で、災害発件後の行動の拠り所となる。ハザードマップと同義語として使用されることもあり、災害時のがけ地の崩壊や水害による洪水等の危険箇所など、危険予測図的な内容が含まれることもある。またこうした地図作成には、地元のまちづくり団体や地域住民自身が協力して作成しているものもある。
海外での防災活動
天災とは人間がコントロールできない自然発生的な災害であり、被害を未然に防ぐという考えをに至っていない国々が多く存在する。日本のように巨額の防災対策の関係費を計上する国は非常に稀である。
アメリカ合衆国では、土砂災害(地すべりなど)による防災対策は、国ではなく土地所有者が行うべきものとされるなど、自己責任の原則が貫かれており、国や自治体等の公的な単位での対策は行われないことが多い。
しかし、2000年代に入ると、スマトラ島沖地震による津波災害やハリケーン・カトリーナによる洪水災害など、規模が極めて大きく、また、事前の予知が可能とされた自然災害が多発しており、このため徐々に、国家レベルの自然災害対策の重要性が認識され始めている。
防災に関する研究
日本は、地震・津波・台風・火山の噴火・洪水・高波・豪雨・豪雪など世界的に見ても非常に自然災害の多い国であり、古くから災害に関わる研究が積極的に行われてきた。今日では、自然災害に関する研究の中でもとくに防災、減災に関する研究が多く行われている。
